ロッテに新加入したチェン・ウェインの9年ぶり日本勝利はならなかった。3回までは直球、スライダー、カーブ、チェンジアップが面白いように決まって無失点。4回以降はやや疲れたか「ボールが先行してしまい、カウントを悪くしてしまったのが悔しいです。そこが反省点だと思うので今後は修正していきたい」。1点リードの4回にロメロの犠飛で追いつかれると、6回には浅村にカウント3-1から真ん中140キロ直球を左翼席へ運ばれた。

それでも6回で自責点2とクオリティースタートは達成。ロッテ加入後は自宅での隔離生活もあり、試合形式のフリー打撃に1度投げただけのぶっつけ本番。「緊張しました。久しぶりの先発というのもあり、先頭バッターの時はちょっと頭が真っ白になりました」という状況で、メジャー59勝の実力の片りんは見せた。井口監督も「しっかり試合をつくってくれましたし、次も期待したい」。今季もマーリンズから2200万ドル(約24億2000万円)を支払われる左腕は、次回登板で中日時代の11年10月2日阪神戦以来となるNPB勝利を目指す。【千葉修宏】

◆チェン・ウェイン(陳偉殷)1985年7月21日、台湾・高雄生まれ。国立台湾体育学院の学生のまま04年2月に中日入団。2年目の05年に1軍デビューした。06年に左肘を手術し、07年は育成選手契約。08年4月2日巨人戦で初勝利。09年には4完封を記録し最優秀防御率。10年日本シリーズ第2戦ではロッテ相手に勝利。12年に大リーグのオリオールズへ移籍。12年地区シリーズではイチローらのヤンキースに勝利。16~19年はマーリンズでプレー。今季はマリナーズとマイナー契約を結び、6月に自由契約となった。183センチ、90キロ。左投げ右打ち。中日時代は通算36勝30敗1セーブ、防御率2・59。大リーグ通算59勝51敗0セーブ、防御率4・18。