日本ハムのドラフト1位苫小牧駒大・伊藤大海投手(23)が27日、苫小牧市内の大学内で指名あいさつを受けた。大渕隆スカウト部長(50)は、インターネット動画で自らの練習法を紹介する“ユーチューバー活動”を、自身の技術向上にも活用している探究心の高さとして評価。さらに発信力もプロ野球選手として必要な要素とし、球団初の道産子1位選手に「チームの顔」となることを期待した。

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地元・日本ハムから1位指名を受けて一夜、スカウトから指名あいさつされた伊藤は、真っすぐ前を見つめて話した。「自分自身の取り組みであったり、やってきたことを評価していただいた。自信になりましたし、これからも変わらない姿勢で取り組んでいきたい」と気を引き締めた。

大渕スカウト部長が評価したのは探求心の高さだ。伊藤は今年3月から、動画投稿サイト「YouTube」にチャンネルを開設。練習法やボールの握り方などを紹介し、チャンネル登録者数は4千人を超えている。同スカウト部長は「成長日記を自分のためにまとめているんだな」と、動画作成を自身の技術向上にも活用している点に着目。意識の高さを感じとっている。

球界では、伊藤が憧れるダルビッシュ(カブス)のチャンネルが注目され、人気を集めている。球団の育成方針もあり、動画の更新はしばらくは封印となるだろうが、同スカウト部長は「現役の選手に(方針は)合わせたいと思いますけど、僕個人としてはそれも含めてプロ野球選手でいてほしいなと思います」と、その発信力には期待。球団公式イベントなどで、“ユーチューバー”としての経験をいかしてくれることを望んだ。

ドラフト1位指名を受けた前夜は、LINEなどで約1000件の祝福が届いた。大学侍ジャパン日本代表でチームメートだった広島森下、ソフトバンク津森からも「おめでとう」と連絡があったといい、就寝したのは午前3時ころだった。

この日は栗山監督直筆の「共に天下を!」と記されたドラフト会議のパスを渡された。伊藤は「気持ちが強いのが強み。周りに流されずに自分のやるべきことをまっとうできることがセールスポイント。変わらない姿勢で来年のキャンプインまでやっていこうと思う」。注目右腕はブレずに前へと突き進む。【山崎純一】

○…伊藤が“二刀流”に意欲を示した。苫小牧駒大ではエースとして活躍したが、18、19年の侍ジャパン大学日本代表ではクローザーを務めた経験も持つ。「どちらでもできるという評価をしていただいている。チームとして必要なポジションであればうれしいこと。どちらでもできる準備をして全うしたい」と意気込んだ。

▽日本ハム白井スカウト(伊藤について) 人間的にすばらしい選手。頑張っていってほしい。