来季の戦力構想から外れ、阪神退団が決定的となっている上本博紀内野手(34)が、意地のマルチ安打で現役続行をアピールした。3回の守備から途中出場し、5回の第1席で変化球を中前へ。7回には元同僚の松田遼の直球を左前に運んだ。今季中の1軍昇格がなければ、この日が阪神でのラストゲームになる。2打数2安打で、スタンドの虎党も惜しみない拍手を送った。

上本は「(やることは)いつも一緒。変わらないです」と話すにとどめた。5回の安打で一塁に到達した際には、同じくソフトバンクを退団する内川に肩をポンとたたかれるシーンもあった。阪神一筋12年。クールな「ウエポン」がタテジマを脱ぎ、新天地を求める。