巨人坂本勇人内野手(31)は、2000安打達成の裏でも細かな気配りで周囲を感動させた。記者会見後、クラッカーを鳴らしながら、チームメート全員がサプライズで登場。「ありがとうございます。オフ前に遅くまですみません」と頭を下げた。駆け寄る選手に感謝の思いを伝えながら、プロ初先発で5回1失点と好投した横川には「ナイスピッチング」と笑顔で一言添えた。

今季最多の3万1735人のファン、テレビで観戦するファンへの思いも自らの言葉で伝えた。8日のヤクルト戦は敗れ、本来お立ち台はなかったが、球団関係者に「楽しみにして球場に来てくれたファン、テレビで見てくれている方もいると思うので、もし可能ならメッセージを届けたいです」とお願い。ヤクルトから了承を得た上でインタビューが行われた。

「僕が想像していた以上に球場のファンのみなさんが期待をしてくれていたので、あの雰囲気というのは一生忘れないと思います。医療従事者のみなさまのおかげでお客さんを入れてプレーをできていると思うのでそこに感謝して、そして、無観客で始まった今シーズンですけど、ファンの方々のパワーは選手を後押ししてくれているんだなというのを改めて感じたシーズン。本当にいつもありがとうございます」

観戦に訪れた父、高校時代の恩師の明秀学園日立・金沢監督、そのチームメート、亡き母、友人、ファンへ。坂本は、自らの節目に支えてくれた周囲の人を思った。【久保賢吾】