フットボーラーが神宮を駆けた。東大・阿久津怜生外野手(2年=宇都宮)は、東大アメフト部出身。8月に野球部へと「転部」した。この日は「2番右翼」で先発出場。3打数1安打2盗塁と奮闘した。

宇都宮(栃木)時代は、硬式野球部に所属し、外野手としてプレー。東大入学後「熱心に誘ってもらった」とアメフト部の入部を決めた。50メートルを6秒1で走る俊足の持ち主。ランニングバックとして活躍していた。

アメフトをプレーしながらも、野球は好きだった。リーグ戦の応援で何度も神宮に通った。転機は今年8月に行われた春季リーグの初戦。9回まで慶大にリードをしていながらサヨナラ負けを喫した試合を見て「野球をやりたいと思った」と再燃。8月終わりに「復帰」した。

1年半のアメフト生活は無駄ではなかった。ボディコンタクトが多いため、体作りに励み、体重が60キロから15キロ増。「力がついた。打球は高校の時より飛んでいます」と手応えを口にする。この日の試合でも2盗塁1得点と、ランニングバックで培った脚力も生かした。

練習試合も含めて大学野球初出場となった10日のフレッシュトーナメント初戦では、3打数2安打1打点1盗塁。少ない実戦の中で、着実にアピールをしている。目標は来春のリーグ戦出場。「外野には良い選手がいっぱいいるが、チームに貢献できるように頑張りたい」と意気込んだ。