広島佐々岡真司監督(53)が12日、広島市内のマツダスタジアム球団事務所で松田元オーナー(69)に報告を行った。就任1年目の今季はシーズン序盤に勝ちパターンが決まらず、中盤からは先発陣に負傷者や不調者が相次いだ。リーグ5位のチーム防御率4・06に終わった投手陣の立て直しは急務。若手の台頭だけでなく、中堅に奮起を促し、チーム内で競い合うことで投手力の底上げを図る。

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シーズン終了の報告を終えた佐々岡監督が早くも来季を見据えた。前日11日に就任1年目の全日程が終了。一夜明けて、広島市内のマツダスタジアム球団事務所で松田オーナーに報告を行った。約45分間、投手陣の再建、勝率5割以上を最低限のノルマに課せられたという。

佐々岡監督 (1年目は)期待通りにいかなかった。若い選手、伸びてきている選手をしっかり鍛えて使える中でも、やっぱり中堅クラスの再生が必要になってくる。リリーフにしても先発もみんなが競争した中で、層の厚さをつくっていかないといけない。

今季は2年連続のBクラスで9年ぶりの5位。リーグ5位のチーム防御率4・06に終わった投手陣の立て直しが急務だ。今季、先発は負傷者や不調者が相次ぎ、中継ぎはシーズン中盤まで勝ちパターンを確立できなかった。佐々岡監督が目指す「守り勝つ野球」の根幹を担う投手陣再建に、ドラフトでは上位3位まで即戦力投手を指名。今季不振に終わった選手たちの復調がチーム内競争をさらに刺激し、さらなる底上げにつながる。

指揮官は今村や一岡らの名前を挙げ、奮起を求めた。「危機感しかないと思う。実績というよりも1年1年、結果を残さないと残れない世界。みんな危機感を持ってやってくれると思うし、やらないといけない」。今年は例年とは違い、秋季キャンプがない。16日から主力を除く1軍はマツダスタジアムで、2軍は大野練習場で秋季練習を行う。若手はすでにフェニックスリーグに参加している。「秋季キャンプがないので。若い選手はこの3週間が大事になってくるでしょう」。21日から指揮官が直接若手のプレーを確認するため同リーグを視察する予定。来春キャンプ参加をかけた戦いはすでに始まっている。チーム内の競争が、佐々岡広島2年目のチーム力向上につながる。【前原淳】

▽広島松田オーナー(佐々岡監督の1年目に)「らしさが出たころにシーズンが終わってしまったように感じた。1軍が1年目のコーチが多い中でしようがない部分もある。来年は開幕からやってくれるだろう」