“直球破壊王子”こと日本ハム渡辺諒内野手(25)が、来季は守備向上のため“声かけ王子”にも挑む。12日から千葉・鎌ケ谷で始まった秋季練習は、第1クール3日目。チームは今季、リーグワーストの75失策を記録しており、中でも若手有望株が多い内野陣は、ミスの連鎖が目立った。近い将来、内野の要となる背番号23は全体練習後に特守を敢行。「守備位置の指示や、流れが悪くなった時、しっかり投手に声をかけられるように」と、自覚を口にした。

遊撃手の平沼と、たっぷり約1時間、タイムを計測しながら6-4-3、4-6-3と併殺の連係を確認した。「目安は4秒ちょいですけど、切るのが一番」。正確な動作で、いかに高確率で2アウトを取るか。併殺崩れが多かった今季。弱点克服へ、公私に渡って仲良しの後輩との共同作業で、タイム短縮に挑んだ。

来季は高卒8年目。2季連続規定打席に到達した今季、キャリアハイの2割8分3厘を記録した一方で、二塁手としては道半ばにある。ピンチでの仲間への声かけは、重要な仕事のひとつだ。「平沼、清宮、野村が試合に出たら(年齢は)僕が1番上。自分が落ち着いてプレーしないと、示しがつかない。今年はまだ、自分のことでいっぱい、いっぱいだったので、もっともっと力をつけて、周りが見えるようにやっていけたら」。これまで中島を筆頭に、先輩に頼っていた部分を見直すため、しっかりと守備力を蓄える。【中島宙恵】