今季限りで現役を引退した元中日の吉見一起氏(36)が13日、地元テレビ局で野球評論家としてデビューした。中日応援番組に後輩柳と初出演。自らの背番号19を継承したドラフト1位の中京大中京・高橋宏斗投手(18)にレジェンド山本昌超えを託した。

「先発投手なら200勝を目指してもらい、さらに山本さんの勝ち星を抜いて、高橋君の19番と言ってもらえるように頑張ってほしい」。10年から球団史上初のリーグ連覇など黄金期にエースとして君臨した吉見氏も、高橋宏の素質を認め、OBの山本昌氏(野球評論家)の球団記録219勝超えを願った。

高橋宏も「吉見さんはチームの勝利に貢献できる投手。手本となる存在」と元エースに憧れる。先輩はプロの世界に飛び込む若竜に助言した。「常に向上心をもって欲しい。焦りは禁物。ケガは得るものもあるが、後退することも多い。ケガしないようにすることが1番」。吉見氏は08年から5年連続2ケタ勝利を挙げたが、肩、肘などの故障で13年からは2ケタ勝利から遠ざかり、通算90勝。新19番には同じ轍(てつ)を踏ませたくなかった。

「(高橋が)19番をつけるので、気になる存在。陰ながら応援していきたい。大事な試合で投げて、経験して、エース、チームの軸、柱になってほしい」。ユニホームから背広に着替えた先代19番は、ネット裏から後継者に優しい視線を投げかけていく。【伊東大介】