ソフトバンク上林誠知外野手(25)が19日、ヤクルトに移籍した“師匠”内川への恩返しを誓った。ペイペイドームで約2時間のトレーニングを行った上林は内川について、「お世話になった人。移籍して寂しいですが、野球界にいますから」と来季交流戦での対戦を願った。「(内川が)もし一塁を守っていたら、強烈なライナーを打ちたいです」とおどけてみせた。

上林はプロ1年目が終わった14年オフから内川に弟子入りして5年連続、宮崎・日向市で合同自主トレを行ってきた。この日もマシン打撃で「いろんな打ち方を試しながらやっている」と試行錯誤が続く。「(内川さんと)一緒にやらせてもらって、少しは気にかけてくれてると思う。やっぱり恩返ししたい。聞くことはほとんど聞けた」。師匠から教わった技術や魂すべてのレベルアップに、全力を注いでいる。

17年に交流戦を中心にブレークし、18年にレギュラーをつかんで全143試合に出場した。だが19年は右手首に受けた死球の影響もあり、打率1割9分4厘。今季は開幕スタメンを張ったが、不振で9月20日に2軍落ちした。「ここ1、2年は恩返しができてない。一番教わった方。もっともっとレベルアップしたい」と言葉にも力がこもる。

前日18日、一塁でゴールデングラブ賞を受賞した中村晃が、来季は外野で取りたい意向を口にした。今季、捕手登録ながら右翼で大ブレークした栗原もいる。来季も激しい身内バトルが控えているが「ライバルではなく、チームが強くなるためにお互いに成長できればいい」ときっぱり。強烈な打球で「恩返し」するためにも、レギュラー奪回は不可欠だ。【浦田由紀夫】