21年シーズンのブレークが期待されるイチオシ選手を各球団の担当記者が紹介します。巨人からは直江大輔(20)です。

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借りは必ず返す。20年10月にヘルニアの手術をし育成契約となった直江は、支配下登録に返り咲き、新人王を目指す。12月8日の契約更改の場では「球団からは『新人王を取らせる』と。そのための手術だったと思う。手術させてもらったのでその代わりに僕も頑張らないといけない」。原監督らからも同様の期待をかけられる。春のキャンプ頃に発症し、日常生活にも支障が出るほどだった腰痛に別れを告げ、巻き返しを誓った。

昨季高卒2年目で9勝を挙げた戸郷と同期入団の20歳。昨季はプロ初登板を含む3試合に登板した。3戦目の9月21日広島戦では4点リードの4回1死から連続四死球を与え降板。あと2死のところで初勝利の権利を逃した。「最後の最後で自分の弱いところが出てしまった。そこが一番悔しいです。悔しい」と2度「悔しい」を繰り返し、素直な気持ちを表現。降板直後のベンチでは原監督に呼び寄せられ「もうちょっとだと。勝利を挙げるのは簡単なことではない」と諭された。当時ヘッドコーチ代行としてベンチ入りしていた阿部2軍監督からも叱咤(しった)され、目を充血させた。

同戦の翌日に登録を抹消され、ノースロー調整に入ると今季を見据え手術に踏み切った。現在はランニングやキャッチボールを再開。2月1日のキャンプインには、他の選手とともに通常のメニューを消化できる見通し。来季に向け「やっぱり1軍で投げること。(1軍に)戻った時に先発だったらその試合で勝ちたい」と力を込めた。同期の戸郷も獲得できなかった新人王を目指して-。飛躍の1年にしてみせる。【久永壮真】

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