守護神ボディーで巻き返す。千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレ中の日本ハム秋吉亮投手(31)が、クローザー返り咲きへ5キロの減量に成功した。昨季は体重88キロと人生最重量の肉体で結果が出なかった。今オフは食事制限などで脂肪を落とし、目指すは25セーブを挙げて安定感抜群だった19年と同じ80キロの肉体。キレキレな姿で抑え投手の座を取り戻す。

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心なしか、あごのラインがシュッとしたように見えた。グラウンドを黙々と走る秋吉の姿は精悍(せいかん)さを増していた。「昨季終了後から体重は5キロくらい痩せました。意識的に落としました」。全体的に締まった体つきに、周囲もぱっと見で気が付くほど。先日、鎌ケ谷を訪れていた栗山監督にも年始のあいさつ直後に「顔、細っ。痩せただろ」と突っ込まれ、驚かれたという。

1勝2敗、防御率6・37、2軍落ちも経験した昨季は、人生最重量の88キロの肉体で苦心していた。「脂肪というか筋肉なのかが邪魔をしてか分からないけど、体が回らない」状態。暴飲暴食をしたわけではないが、コロナによる開幕延期などの影響もあって、体重が増えていった。「腹回りが落ちない。ちょうど、この2年で30歳を超えたから、そういうのもあるかもしれない」と、体質も変化してきているようだ。

人生初のダイエットは、妻にも協力してもらいながら食事のバランス、量を調整していった。「丼にいっぱいいっぱいじゃなくて、ちょっと減らした。それを続けたら意外とすぐにおなかがいっぱいに。胃が慣れて8分目くらいで、もういいやとなった」。間食でつまんでいたポテトチップスなども減らし、今オフに取り組む体幹トレーニングやランニングのかいもあって一気に5キロ減だ。

ベストは25セーブを挙げた19年の体重80キロ。残り3キロは春季キャンプで落としていく。「キャンプでも食事を気にしながら、練習量を多く。そのままオープン戦に入れば、キープ出来るのではないかな」。現状も体を動かす感覚がいい。「投げていてもいい感じ。ランニングをしていても軽く感じる」と動きのキレを取り戻した。

今後は24日から1軍キャンプ地の沖縄・名護で先乗り自主トレに参加し、今季初のブルペン入りも予定する。守護神奪回ロードを順調に走る秋吉は、身軽になった肉体で今季こそフル回転する。【木下大輔】

◆日本ハムの守護神争い 実績十分の秋吉、昨季の終盤に適性を見せた杉浦、大学日本代表で守護神を務めたドラフト1位伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)の3投手を中心に繰り広げられそうだ。杉浦は先発適性もあり、チーム事情にも左右されそう。他球団にとってはデータが少ないルーキー伊藤が抜てきされても不思議ではない。また昨季、3月のオープン戦で猛アピールした育成選手の長谷川も大穴候補。昨年8月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた石川直は今季中の1軍復帰を目指し、来季の守護神奪取への布石にしたい。

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