これでもマイペース。広島ドラフト3位の大道温貴投手(22=八戸学院大)が20日、広島・廿日市市内の大野練習場で早くも2度目のブルペン投球を行った。22歳の誕生日にすべての球種を披露した。ほかの新人投手と比べ、急ピッチ調整も、本人の中では至ってマイペース。今後も積極的にブルペン入りして、1軍春季キャンプへ向けて調整の段階を上げていく。

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中腰の捕手のミットに、力強い球が収まった。新人大道は躍動感のあるフォームから全球種をまじえ、50球を投げ込んだ。同じ即戦力と期待されるドラフト1位栗林や同2位森浦がまだブルペン入りしていない中、早くも2度目のブルペン投球。まだ8割程度の力とはいえ、熱がこもった投球だった。

「もう捕手を座らせてもいいぐらい、仕上がりは完璧ですね。みんなからしたら(ペースが)早いと思いますが、僕からしたらいけるぞ、という感じです」

18日の初投げから中1日でのブルペン投球は、ハイペースにも見える。だが、本人の中ではマイペース調整。「大学時代もたくさん投げていても、シーズン中も落ちることはなかった。落ちる心配はしていないです」。しっかりと下地をつくってきた証しともいえる。春季キャンプの1軍スタートが正式に発表され、今後も中1、2日でブルペン入りして準備を進めていく。

1月20日は、22回目の誕生日でもあった。記念日の1と2が入った背番号には、運命的なものを感じている。「12番にはこだわっています」。先代九里への意識も強い。投球スタイルやタイプが似ていると周囲からも言われるという。「僕は1年の時からずっと投げ続けて、ケガはなかったので、プロでもそうなれるように。九里さんみたいになれるように頑張りたいです」。プロ1年目からケガなく投げ続けるタフネス右腕との対面を心待ちにする。

春季キャンプまで2週間を切り、広島の最高気温も2桁に上がってきた。「どこでもいいから生き残っていきたい。この気温だと青森だと4、5月ぐらいの感覚。夏は不安ですが、春先は有利かもしれない」。生き残りへ、即戦力右腕は投げて、投げて臨戦態勢を整える。【前原淳】