阪神矢野燿大監督(52)が20日、コロナ特別ルールの変更を歓迎した。オンラインで行われた12球団監督会議に出席。前日19日のNPB(日本野球機構)の実行委員会で決定した外国人枠の運用緩和について、「プラスがあると思っている」と語った。投手5人、野手3人の精鋭8外国人選手を抱える阪神にとって、起用のバリエーションが拡大。追い風の新ルールも生かし、16年ぶりVに突き進む。

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矢野阪神には間違いなく追い風だ。12球団監督会議を終えた矢野監督はオンライン取材に応じ、笑みを浮かべた。頭に思い描いたのは今シーズンの外国人起用法だ。

「オプションが増えるというところではね(プラス)。いろいろなバリエーションというか、選手の状態とかコンディションによって、臨機応変にいけるというところでは、プラスがあると思っています」

前日19日のNPB実行委員会で、コロナ特別ルールの微調整がなされた。外国人枠の出場選手登録5人(ベンチ入りは4人)は昨季と同じだが、昨季は「投手4、野手1」「投手1、野手4」の比率で登録した場合、その後の変更は不可だった。それが今季は変更可能となる。登録枠の4人あるいは5人全員を投手または野手にすることはNGとはいえ、阪神にはプラスに働く可能性が高い。

阪神は巨人と並んで12球団最多タイの8人の外国人選手を有する。内訳の自由度が広がれば、起用の幅が広がる。サンズ、マルテ、ロハスと3人いる外国人野手が相次いで故障や不調に陥れば、昨年なら自重していた投手4人登録も迷いなくできる。昨季は過密日程で13連戦も発生したが、疲弊しているブルペンやローテの谷間に外国人投手を補充しやすくなる。

不測の事態が起こっても対応可能だ。矢野監督は「特に新しく来てもらう外国人選手は遅れると思うんでね」とも話した。現時点での来日済みは、日本での就労ビザが残っていたサンズ、マルテ、エドワーズ、ガンケル、チェンの5選手。スアレスはまだで、新外国人のロハスとアルカンタラは、コロナ禍による政府の新規入国規制で就労ビザが取得できず、来日のメドが立っていない。だが来日がずれ込み、調整遅れとなっても、幅広いポジションの外国人がいるため、枠を有効活用できる。8人の精鋭部隊。宝の持ち腐れはない。【桝井聡】