誠也流の所信表明だ。広島鈴木誠也外野手(26)が25日、広島市内のマツダスタジアムでの自主トレに合流した。

前日まで沖縄県内で自主トレを行い、休日を挟まず即合流。チームメートとともに、キャッチボールやノックを受けると、打撃マシンの球速を遅めに設定し、1時間以上打った。新外国人クロンとも笑顔で会話し、フリー打撃の球拾いにも加わった。野手の主将就任にも「やることも変わらないと思う。普通に今まで通りやりたい」と話すが、リーダーとしての自覚が行動となって表れた。

最後まで緩い球を打ち続けた打撃練習では、重心を残した右足を軸に回転させる形を繰り返した。テーマは「地球に打つ」。最後までその真意を明かさなかったが、表現もまた誠也流だった。

侍ジャパンの4番も期待される東京五輪に向けては、個人的な思いは封印する。「世界の人たちが来ると余計に広まるかもしれないし、どんなウイルスが来るかも分からない。流れに任せるしかない。時を待つしかない」と複雑な胸中を明かす。

近い未来さえ予測できない中、唯一にして最大の目標を定める。「優勝できればそれでいい。優勝できるように頑張りたい」。チーム内の立場が変わっても、鈴木誠らしさは変わらない。等身大のリーダーとして、若いチームを支える。【前原淳】

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