マー君、おかえりなさい! ヤンキースFAの田中将大投手(32)が28日、古巣楽天との契約に基本合意した。

24連勝で球団初の日本一へ導いた13年以来8年ぶりの日本復帰。球団は2年契約で年俸9億円プラス出来高で、巨人菅野の8億円を超える日本球界最高年俸で迎え入れた。

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新指揮官として今季を迎える楽天石井GM兼監督は、古巣復帰を決めた田中をフラットな目線で見つめる。「チームとして優勝を目指すために特別なピース。現場としてはすごく心強い」としながら、開幕投手の可能性には「僕もアメリカから戻って日本でプレーしたことがありますが、それとは比べものにならないくらい、しっかりとパフォーマンスを持った中で帰ってくる。だからといって、当たり前に勝てる世界ではない」と、ふくらむ周囲の期待感にも流されない。

キャンプへの合流は2月23日の日本ハム戦から始まるオープン戦前を想定。「焦らずシーズンを見据えてもらえれば」と、ボールの違いや米国に比べ軟らかいとされるマウンドなどへの対応には、信頼を置いた。

中長期的なチームの成長へも、この上ないお手本だ。「現場の中でも一番の成長の源、スパイスは同じ選手同士の刺激の中で生まれる。そういうことを田中選手にも求めていきたいが、日本から7年も離れている。人のことより自分のことが大事。周りはその姿勢を見ているので、勝手にそういう刺激は受けてくれると思う」と、背中に宿る影響力にも期待を込めた。【桑原幹久】