新型コロナウイルスの感染拡大と闘う中、プロ野球の春季キャンプが始まろうとしている。各球団からマスコミ宛てに来た取材ガイドラインは、PCR検査による陰性証明を記者や評論家にも義務づけている。当然、こんなことは今までなかった。今年のキャンプは、球団にとっても取材する側にとっても未体験のものとなる。

心配なのは、予定通りに実施できるのかどうか。昨季、シーズン中にコロナ感染者が出た球団は、全選手関係者を一斉にPCR検査した。コロナウイルスへの知識が少し増えた今、もしかしたら濃厚接触者を限定でき、その隔離だけで済むのかもしれない。だが、キャンプ中に感染者が出た場合、宮崎や沖縄の医療機関への負担など、考慮しなければならないことも多く、最悪を想定するならば、キャンプ休止などもありえるのだろう。

日刊スポーツ評論家の里崎智也氏は言う。「そういう意味ではロッテのキャンプは心配です。1、2軍がみんな同じ宿舎なので、もしもの場合、チーム全体が止まってしまう可能性があります。逆に巨人はS班が東京で始まったり、3グループぐらいに分散させているので、1、2軍に分けられたチームよりもリスクを減らせている印象があります」。各球団の対策はさまざまだが、一番は、何も起こらずにキャンプを全うできること。我々も、感染防止に注意しながら、選手たちの動向を伝えたい。【竹内智信】