ツチノコ発見? オリックス吉田正尚外野手(27)が宮崎キャンプ2日目の2日、新道具「バレルバット」を導入していると明かした。愛知県のバット工場に製作を依頼した特注品で、長さは試合用と同じ83・5~85センチ。形状がユニークで、グリップと芯の間だけが350ミリリットル缶のようにポコリと盛り上がっている。新道具導入で、さらに長打力向上を目指す。

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昨年の首位打者がさらなる高みを目指し、新たな道具を採用した。吉田正がティー打撃で持ち出したのは「バレルバット」だった。従来のバットと「重さはそんなに変わらない」と言い「(手元に)重心があるので、インサイドから。ヘッドが(投球)ラインに入ってくる」と、スイング軌道を固める。

狙うのは「長打力向上」。昨季は3割5分の高打率で自身初の打撃タイトルを手にしたが「スキルとして、当てにいく形になってしまった。小手先のバッティング。その場しのぎになっていた」と反省。豪快な長打力も吉田正の魅力ながら、昨季の本塁打は14本。確実性の高い打撃を見せた一方、本塁打は19年の29本の半分以下となった。

吉田正にとって、フルスイングこそ原点。「(18、19年が)26、29本…。30(本)までもう1つ。3割、30本、100打点を。目指すじゃないですけど、良いバッターのラインというか。そこを超えてこないとタイトル争いは絶対できない」。向上心が、新バット導入につながった。

フリー打撃では41スイング。狙ったようにラスト2球のみ、スタンドに連続でたたき込んだ。「今、力強くは振っていない」と笑う。今はグリップ位置の感覚を確かめている最中で「結構シンプルに。自分の一番、力の入るポジションで振れるように」と話した。実戦は、早ければ9日の紅白戦から出場する見込み。新道具効果を実戦で披露する。【真柴健】

◆バレルバット バレル(たる)型にふくらんだ部分の重みを利用することで、正確なスイング軌道を身につけることが狙い。芯の部分が体から離れないため、スイングスピードが増し、より強い打球を打てるようになるという狙いがある。

◆3割30本塁打100打点を達成した打者 オリックスでは08年のカブレラを最後に出ていない。日本人では、加藤英司の79年が最後。球界全体では18年の3人が直近で、巨人岡本(3割9厘、33本、100打点)西武浅村(3割1分、32本塁打、127打点)ソフトバンク柳田(3割5分2厘、36本、102打点)がそれぞれ達成している。