ソフトバンク笠谷俊介投手(23)が「脱・杉内」で開幕ローテーションをつかみ取る。宮崎春季キャンプ第2クール初日の5日、フリー打撃に打撃投手として登板。「杉内2世」と呼ばれ、昨季プロ初勝利を含む4勝を挙げた左腕は、1から作りなおしているという新投球フォームに手応えをつかんだ。

この日は川瀬、川島を相手に計46球で安打性が1本ずつ。約半分がボール球で見た目には物足りない内容だったが「はまったときはしっかりいい球が行っていた」と納得顔で振り返った。

現巨人投手コーチの杉内氏に憧れ、ゆったりとした投球フォームから大分商時代には「杉内2世」と呼ばれた。昨季は先発の谷間としてブレークしたが「不安だった。ブルペンで良くても、試合では悪かったり」と不安定さを克服するために、思い切ったフォーム修正に踏み出した。

転機はベンチ外だったクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズの期間だ。「いろんな投手を見て勉強になった。制球のいい投手は投げるときに準備ができている」。動画などにも目を凝らし、参考にしたのは元ソフトバンクの摂津氏やロッテ二木、ヤンキースのコールら。「今までは(体の)横回転を大事にしていたけど、今年は縦を意識している」と、昨季57イニングで35四死球だった制球面の改善へ、これまで積み上げてきたものを壊すことを決意した。

7年目の目標は先発ローテに定着して2桁勝利。「脱・杉内」で飛躍の年にする。【山本大地】