西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放った清原和博氏(53)が5日、プロ野球経験者が学生(高校生、大学生)を指導するために必要な学生野球資格を回復した。日本学生野球協会による資格回復審査委員会で、計139人(NPB93人、IPBL43人、海外3人)が認定された。協会のガイドラインにより、同氏は25年6月までは指導者になれないが、まずは大前提をクリアした。

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NPB認定者一覧の中に、清原氏の名前も刻まれていた。学生野球資格回復のために受講が義務づけられている昨年12月のNPBプロ研修と、今年1月の学生野球研修を終了し、資格回復が認定された。

本来なら、教えたい学校が所属する連盟に指導者登録すれば指導できる。ただ、同氏は日本学生野球協会の「指導者に関するガイドライン」が定める「適任者に該当しない者」にあたる。刑の執行猶予期間経過後5年を経過しないといけない。同氏が覚醒剤取締法違反による4年間の執行猶予を満了したのは、20年6月15日。25年6月までは指導者になれない。

それでも、今後を「私自身の原点でもあります高校野球にささげたい」と話す同氏にとって、最初の条件をクリアしたことは大きな1歩。認定者発表後、自身のツイッターアカウントに「今日も素晴らしい天気!! 息子達とキャッチボールした!! 涙が出てきた。忘れられない一日になった!!」(原文まま)と記し、3つのグラブの写真を載せた。資格回復への言及はなかったが、野球や家族への思いがうかがえた。

過去の過ちから、学生を指導することへの厳しい目も予想される。一方で、圧倒的だった甲子園ヒーローの復帰を期待する声も根強い。25年6月まで4年4カ月。この時間が未来につながっていく。【古川真弥】