南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた野村克也氏が84歳で亡くなってから、11日で1年がたった。名将「ノムラの考え」は、今も教え子たちの胸に深く刻まれている。智弁和歌山監督の中谷仁氏(41)もその1人。阪神時代に掛けられた言葉や、楽天時代に学んだことなど、今の指導にも生きる特別秘話を語ってくれた。ヤクルト古田敦也臨時コーチ(55)や阪神OB桧山進次郎氏(51=日刊スポーツ評論家)らも、命日を前に恩師をしのんだ。

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ノムラの教えを継承する古田臨時コーチが、ヤクルト捕手陣の底上げに尽力している。沖縄・浦添キャンプの第2、第3クールで指導。捕手を集めた円陣では「俺たちで勝つぞ!」と鼓舞。防御率2年連続12球団最下位の現状に「お前たちが上がればこのチームは上がるんだ。見返そうぜ」と前向きな言葉を掛ける。

中村、西田、松本直、古賀に直々にノックを打ち、配球についてのミーティングは投手陣と考え方を共有した。捕手はチームを勝たせることができるポジション。大切なのはコミュニケーションとリクエストだ。

現役時代、野村監督からムチャぶりとも取れる要求をされた。「例えば高津は真っすぐとシンカーとカーブしか投げなかったけど、シンカーを内と外、球速も3種類用意しろと言われた。簡単に言うなよと思ったけど、1年後、高津はできてた。ちょっと無理ってことも、やってみればできることもある」。もう少し曲がってほしい、こんな球種がほしい-。率直に伝えることが、互いの成長を生む。【鎌田良美】

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