阪神取材班がキャンプで興味を持ったテーマ、事象を取り上げる随時企画「推しポイント」をお送りします。

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ドラフト6位の中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)が手にしたのは、バドミントンのラケット。握った右腕を大きく振り下ろし、ゴムボールをドーム内のネットに打ち込む。新たに取り組む練習法は、そばで見守る川相臨時コーチから伝授されたものだ。

「少し投げる時に後ろに入ってしまうところがあるので、バドミントンで打つ時はしっかり前で、回すような形で動かす。投げるのもそういう一緒の動きなので」。社会人時代の昨秋公式戦では無失策。守備に定評のあるルーキーが、スタイルをがらりと変えようとしている。「自分はどちらかと言ったら、今までは小さく投げていたタイプ。大きく体全身を使って投げないと、強いボールは投げられないので」。今キャンプでは実戦4試合で、すべて安打を記録しながらも守備では3失策。プロのスピード感や打球の強さを痛感し、スローイングの矯正に着手した。

この日は川相臨時コーチとマンツーマン。膝をついたままの状態での捕球など、さまざまな練習に取り組んだ。「練習でしっかりと自信をつけて、やってきたという気持ちを持って試合に臨めれば、失策も必然と減ってくると思う」。試合中の不安を解消するには練習あるのみ。プロでも守備で輝くために、地道な技術向上に励む。【磯綾乃】