力のある球で開幕ローテーション入りへ近づいた。DeNAのドラフト1位右腕、入江大生投手(22=明大)が27日、練習試合・日本ハム戦(タピックスタジアム名護)に先発。3回を1安打無失点に抑えた。最速は149キロで、大田、渡辺諒という速球にめっぽう強い打者から2者連続で見逃しの3球三振を奪った。2試合目の実戦登板で力みが取れ、パワー型の本領を発揮した。

自分の持ち味を思い出した。1回2死一塁、打席に中田を迎えた。「コースに投げて抑えられる打者じゃない。外、外と割り切って、マックスの球を投げようと」。腕を思い切り振って直球を続けた。2球目、この日最速タイの149キロ直球で遊ゴロに抑えた。

強打者を直球で抑えて勢いに乗り、2回は微妙な修正も加えた。初回に安打を許した近藤に変化球が2球ボールになっていた。「真っすぐが低めに集まっている分、変化球も同じ角度から曲げればストライクが入る」。先頭の大田をスライダー、フォークで追い込むと外角直球で見逃し三振。「直球破壊王子」こと渡辺諒はツーシームと直球で追い込み、外角低めに148キロをズバリと決めた。

大学時代から力みが課題だった。プロ初の実戦登板20日ロッテ戦は「緊張して力みっぱなしだった」と2回3失点。今回は「ブルペンから脱力を考えていた」。力みが取れた理由は1カ月のキャンプ生活。「首脳陣、報道陣に見られる機会が多くなって、単純に場慣れした。環境に順応した」。初めてバッテリーを組んだ同学年の捕手山本からも「力みはもったいない。かしこまらなくていい。若い2人。当たって砕けろで攻めていこう」と助言を受けていた。

三浦監督も開幕ローテ入りへ前進を認めた。「ドラフト1位でいいものを持っている。力みがどうなるか。前回の反省を次に生かした。修正能力を見せてくれた。本人も手応えがあったと思う」と評価した。DeNAの先発右腕は大貫、平良ら技巧派が多い。球に勢いと角度のある入江がローテ入りすると、強いアクセントになる。【斎藤直樹】

◆DeNAの開幕ローテ事情 大貫、平良、左腕の浜口までは当確ライン。残り3枠を実績のある上茶谷、昨季2軍で勝率1位の阪口、5年目の京山、入江で争う。左腕の今永、東は開幕には間に合わない見通し。新外国人のロメロ、2年目のピープルズは、入国のめどが立っていない。

▽DeNA三浦監督(5回無死一塁からの攻撃に) 伊藤裕季也が粘って四球。牧が難しい状況(無死一、二塁)でバントを一発で決め、いい流れをつくった。いいリズムで得点できた。

▽DeNA山本(5回1死二、三塁で左翼線へ先制2点二塁打) 牧がしっかり送ってくれて、かえすしかないなと。内野が前に来ていて1点取る気持ちだった。いい変化球でしたが、体をうまく使って打てた。勝負強さが捕手は大事。今後も勝負強さを出したい。

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