巨人菅野智之投手(31)が新しい“立ち位置”から21年のスタートを切った。27日、練習試合の広島戦(那覇)で先発。南国の太陽が珍しく曇天で隠れる中、表情を変えずにプレート板の一塁側を踏んだ。先頭田中広の初球で最速150キロをマークするなど堂々たる投球で、2回2安打無失点、3奪三振。「まずは元気に投げることができてよかった」と、うなずいた。

9年目の今季、プレートの踏む位置を三塁側から変えた。「バッターの目線も慣れてきているので、自分の中で変化を加えていかないといけない」。昨季は開幕投手から13連勝。圧倒的な力を示したにもかかわらず、マウンドからの景色を一変させる決断を下した。

まだ2月の練習試合だけに「2回しか投げていないので何とも言えない」。ただ、広島のクロンからは体の遠くから内角に食い込むツーシームで空振りを奪った。大竹からは得意球のシュートを教わった。三塁側→一塁側のロケーション変更を、右打者の懐を深く突く武器とする。

変わらない信念が、変化を後押しする。「こうしなきゃ…って考え方は好きじゃない。『こうしたいから、どうするか』って考えます」。プロ入りから9年間、常に変化を求めてきた。昨季はノーワインドアップから左足を上げる前にグラブを顔の右側に引き上げる投球フォームに挑戦。オフにはメジャー移籍を目指した。現状維持をよしとせず、もう1ランク上を目指す-。エースの姿勢に、原監督も「新しいことにまた取り組んでいるということも、ピッチングの中で見えましたね。挑戦心を常に持っているというところがね」と目を細めた。

テーマの1つでもあるカーブも駆使した。「良かったんじゃないですかね。軸になりうるボールじゃないかという手応えもありますし、やってきたことが形になっている」と成果をかみしめた。最有力視される4年連続7度目の開幕投手については「投げるか分からない」としながらも「その辺は、体の状態を万全な状態に」と心構えは整えている。「順調だと思います」。新しい“立ち位置”から最高の景色を見るべく、まずは第1歩を刻んだ。【浜本卓也】

巨人原監督(菅野に開幕投手を任せる考えを聞かれ)「この1日、2日、考えます。いないと思った人が帰ってきたものだから(笑い)。しかし順調に来ていますね」

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