巨人時代につかんだヒントを新天地でものにする。ヤクルト田口麗斗投手(25)は、移籍後初先発を2回1安打無失点。開幕ローテーション入りへアピールに成功した。

挑戦の“デビュー戦”だった。巨人時代はプレートの一塁側に立っていたが、三塁側からも投球。しかも、1球ごとに立ち位置を変える変幻自在さを見せた。きっかけは巨人の主砲との会話から。「岡本和真と『左ピッチャーの三塁側のプレートって嫌だったりしますよ』という話をして。よし、それで今年からやろうかなと」と説明した。

頭の中で練っていたイメージ。41歳のベテランからも助言を受け、行動に移せた。「石川さんに相談したら、早めに実戦でやったほうがいいと。『ピッチングの10球より、実戦の10球の方が濃いものになるから』と言っていただいた。すぐ実戦に移そうと思ったのは、そういう結果ですね」とうなずいた。三塁側に立つことで、得意のスライダーの曲がり方にバリエーションが生まれる。この日の全36球中、18球を投げた生命線をより生かすための投球術だ。

石川も得意とする、打者の打ち取り方。目の前で学び、さらなる成長を目指す。「石川さんというお手本がいらっしゃる。自分もそういう風になれるようにひとつでも引き出しを多くしたい」と意気込んだ。【湯本勝大】