阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が9日、いよいよ甲子園デビューする。今年の本拠地オープニングゲームとなる広島戦にスタメンで出場予定。甲子園での試合は近大時代の19年4月27日の京大戦以来、約2年ぶりだ。「いい意味で特に甲子園だからといって力むことなく。いつも通りプレーしたいと思います」。待望の一戦を前に静かに闘志を燃やした。

甲子園に集う上限1万人のファンの前で、怪物ルーキーがお披露目される時が来た。同じ西宮市内にある仁川学院時代の聖地は、近くて遠い存在だった。近大時代は7試合に出場し、24打数4安打2打点。本塁打は打てなかった。だが、3日に甲子園での全体練習に初参加した際には、58スイングで8本の柵越え。バックスクリーンへの3発を含め、中堅方向に6本のアーチを描くなど、存分に初アーチ予行を敢行した。

矢野監督は「キャンプでは佐藤輝も含めて(ファンに)見てもらうことができなかった。それぞれのプレー、またタイガース全体として楽しみにしていてくれていると思う。俺らも楽しみ」と、今年初となる本拠地の有観客試合に胸を躍らせた。広島先発は16年ドラフト1位で5年目右腕の矢崎。豪快な1発で飾ろうものなら最高の自己紹介だ。

9日も左翼で起用される予定。7日のソフトバンク戦で外野守備に合格点を与えた指揮官は「次は甲子園。球場によって風であったり人工芝であったり、フェンスがあったり、いろんなことが違う。それはやってみないとわからない」とどう対応するかにも期待した。佐藤輝自身も3日の全体練習では左翼でクッションボールを入念に練習。打撃、守備ともに準備は整った。あとは迫力満点のプレーで、聖地に集まる虎党を魅了するだけだ。【只松憲】

○…佐藤輝の父博信さん(53=関学大人間福祉学部准教授)は、息子の甲子園デビューを楽しみにした。9、10日の広島戦を母晶子さん(48)とともに球場で観戦する予定。電話取材に応じた博信さんは「初めて縦じまのタイガースのユニホームでプレーする姿を見ることができるので、楽しみです」と声を弾ませた。

▽阪神井上ヘッドコーチ(佐藤輝の外野守備について)「今のところは無難に守っている。課題が出てこないように、こちらとしては予習をいっぱいさせるように、努めていきます」

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