プロ9年目で初の開幕投手に決まった阪神藤浪晋太郎投手(26)が先発し、初回の3失点から立て直して5回3安打3失点にまとめた。

雨でマウンドがぬかるむ中、イメージしていたイニング、球数を無事に消化。「前回のソフトバンク戦は力任せというか、エイヤーという感じだった。今日に関しては、いい力感で投げられた。初回を除けば、先発らしい投球ができたかなと思います」と振り返った。

1回は先頭の金子から154キロ直球で空振り三振を奪った後、鈴木に四球。1死一塁となり、大阪桐蔭時代にバッテリーを組んだ1学年下の森と対決した。カウント1-1から152キロ直球を捉えられ、左翼への適時二塁打で先制点を献上。その後、連打と犠飛で3失点を与えた。

「初回はちょっと一生懸命に行き過ぎたというか…。しっかり抑えようという気持ちが力みに変わっていた。2回以降はリラックスして投げられた」

2回はすべて直球で内野ゴロに打ち取り、3者凡退。3回は1死から森に四球を与えるも、山川を投ゴロ、栗山を二ゴロで無失点。4回は先頭の外崎を145キロのフォークで空振り三振。木村に四球も、続くブランドンを149キロ直球で二ゴロ併殺。5回は3者凡退に抑え、2回以降は危なげない投球で強力西武打線に追加点を許さなかった。

2月からこの試合前まで実戦4試合に登板し、12イニングで1失点。1勝止まりの昨季から、開幕ローテーションを決めるだけでなく開幕投手に決定。7日に矢野監督から大役を告げられてから、この日は初のマウンドだった。

次回は3月19日オリックス戦(京セラドーム大阪)で開幕前最後のマウンドに上がる予定。「自分の中で納得できる投球ができればなと思います。これなら開幕をいい感じで投げられるなと思って終われるようにしたい」と力を込めた。

 

<藤浪の今春>

 

1月25日 鳴尾浜のブルペンで再挑戦中のワインドアップ投法を初披露。新フォーム導入の理由は「加速距離」を取るため。

 

2月2日 1軍沖縄キャンプのブルペンで足を上げた際に1度三塁側に視線を移す新スタイルを披露。

 

2月7日 21年初実戦の紅白戦は2回を無四球3奪三振1安打無失点。ドラフト1位佐藤輝から空振り三振を奪い、最速156キロ。

 

2月21日 対外試合初戦の広島戦で3回3奪三振2安打1四球無失点。147キロスプリットで驚かせた。

 

2月27日 中日戦で3回を3安打1四球1失点。中日側のスピードガンで最速158キロを計測。

 

3月1日 矢野監督からキャンプ投手MVPに選ばれ「ちょっとビックリ」。

 

3月5日 ソフトバンク戦で4回2奪三振3安打2四球無失点。最速158キロでスプリットは149キロ。

 

3月7日 矢野監督から開幕投手を告げられる。