楽天先発の田中将大投手(32)が、今季4度目の実戦登板を5回65球4安打無四死球1失点で終えた。球場表示の最速は148キロだった。

先発予定だった13日同戦が雨天中止。復帰後初のスライド登板に多くのファンが駆けつけた。ホーム開催のオープン戦は初登板も登場曲は流れず、試合開始前は無音で投球練習を行った。

初回はピンチをしのいだ。DeNA先頭桑原が初球直球を左前へ。1死後、新人の牧に右前打を許し一、二塁とした。それでも佐野はスライダーで中飛。宮崎は内角速球で遊ゴロに打ち取り、切り抜けた。

2、3回はテンポよく3者凡退。4回は先頭牧に右越え二塁打、佐野に右前打で無死一、三塁と再びピンチを招く。ここで宮崎を迎え、目力が増し、ギアが一段上がる。初球に147キロを計測。2ボール1ストライクから内角直球で詰まらせ、投ゴロへ仕留めたが、二塁へ悪送球。三走を生還させた。

田中将は天を仰ぎ、自らの右太もも辺りをパンとたたいて悔やんだ。それでも無死一、二塁から細川を遊ゴロ併殺、大和を空振り三振に抑え、最小失点にとどめた。

5回は戸柱、倉本、桑原を3者凡退。桑原には実戦で初めてカットボールを解禁。2球続け遊ゴロに打ち取った。予定イニングを投げきり、ベンチへ戻る際に捕手の太田とグータッチをかわした。スプリット、カーブ、スライダー、ツーシーム、高めストライクの速球など、さまざまな球種を駆使。実戦さながらの配球を見せた。

「自分の中でテーマに掲げていたことをうまくできたところはあった。まだ完璧ではないですけど、登板ごとに出た課題、自分が感じたことをどんどんつぶしていっていたという状況。今日は前回の反省を踏まえた投球をして、うまくゲームのマウンドで出せたなというところはあったので、一定の満足はありましたね」と手応えを示した。

自身の悪送球から失点した4回には「あのセカンド送球は僕がいいところに投げられなかったので、ああいうミスというのはもったいないと思いますけど、その後ずるずるいかないで、すぱっと切れたのはよかったと思います」と反省と収穫を口にした。

シーズン初登板は開幕2戦目、27日日本ハム戦(楽天生命パーク)。次回登板は中5日で20日の巨人戦(東京ドーム)の見込み。1歩ずつ着実に調整を重ねる。