日本ハム池田隆英投手(26)が開幕ローテーション入りを確定させた。中日とのオープン戦(バンテリンドーム)で移籍後最長の5回を投げて2安打無失点。オープン戦は3試合10イニング連続無失点の猛アピールを完了した。栗山英樹監督(59)は明言を避けたが、27日の開幕第2戦か翌28日の第3戦(楽天生命パーク)先発が濃厚。古巣楽天戦での“恩返しデビュー”が現実味を帯びてきた。

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池田は主力を並べた中日打線に攻略の糸口をつかませなかった。「よかったと思います。タイミングをずらせたかなとは思います」。初回1死一、三塁のピンチではビシエドを併殺打。「真っすぐ対応に見えたので、ちょっと曲げたりしておこう」と、手元で小さく曲がるスライダーでゴロアウトを奪った。2回以降も木下拓の二塁打以外は、満足に打撃をさせなかった。

試合をつくる工夫が随所にあった。同じ球種でもスピードや変化量を微妙に操作。打者の雰囲気を察知しながら「シュートさせてフライを打たせたり、フォームの中でも開きを早くしたり遅くしたり、ちょっと力を入れて真っすぐを強く投げにいったり」と、つかみどころのない投球で結果を出した。変幻自在のスタイルに変貌するきっかけをくれたのは「天才ピッチャーですわ」と慕う1学年上の「上沢エースですね」。

楽天から移籍して1カ月に満たないが、「どういう意図で、そのボールを投げたのか。フォーム的なことも」と質問攻め。「なんせウチのエースだから聞かないと」と臆せず懐に飛び込み、移籍後に左足を高く上げる投球フォームに変更。配球や打者との駆け引きも含めて「どういった意図で投げたらいいかを重要視するようになった」。

高校の先輩にあたる栗山監督も「大アピールしてくれたのは事実」と5回0封の結果を受け止めた。開幕ローテについては「最初の1週間、どうしたら一番チームがたくさん勝てるかを考えているだけ」と総合的に検討中だが、池田が開幕2、3戦目(対楽天)のどちらかで先発起用される可能性が高まった。

古巣相手の移籍後初登板が濃厚となり、池田は「勘弁してほしいですね」と苦笑い。それでも力強い言葉で「まあ、負けたくないので。それだけは絶対言えます。いろんな思いがありますけど、頑張りたいと思います」。ドラマチックな舞台を期待するほど、先発陣の中で池田の存在感が高まってきた。【木下大輔】

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