広島大瀬良大地投手(29)が、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)に先発して6回2安打無失点とオープン戦最終登板で好投した。2月28日の日本ハムとの練習試合から実戦4試合、18回連続無失点で調整登板を締めくくった。コイのエースが万全の仕上がりで、3年連続開幕星を取りに行く。

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背番号14が敵地のマウンドで躍動した。大瀬良は4年連続日本一の打線に、全80球のうち52球を直球とカットボールで押した。打者21人に対し、18人への勝負球がこの2球種。「相手が直球とカットボールを待っている中でも押し込めたと思う」。降板する6回まで18アウトのうち8つがフライアウト。力強さを示していた。

立ち上がりから今年最速となる149キロを計測し、その後も安定して140台中盤以上を続けた。「これまでの試合よりも意識して(直球を)投げていた。投球の感覚も、打者の反応も良かったし、スピードも出るにこしたことはない。本当に良かったと思います」。2球種で3つずつの三振を奪うなど、力勝負でも勝った。

今年の大瀬良は、直球とカットボールだけではない。その他の球種の向上が2球種を引き立てている。この日は改良したフォークに加え、スライダーが効果的。120キロ台で2球種とは約20キロ差の緩急となり、同じ横曲がりで得意のカットボールを惑わす球種としても有効だった。5回以降はカーブとフォークの割合を増やす配球で、わずか単打2本、最後まで得点圏に走者を進めなかった。

28日の日本ハムとの練習試合とオープン戦3試合、合わせて18回連続無失点で調整登板を締めた。昨年9月に右肘をクリーニング手術。リハビリ中だった昨年末、その順調な回復ぶりから佐々岡監督は開幕投手の内定を伝えた。エースの頼もしい調整に「開幕投手を告げた中で、本当に責任をもってここまでやってくれた」と最敬礼だった。

大瀬良は、リハビリ段階でも3年連続3度目の大役に指名してくれた指揮官の期待を十分に感じてここまできた。「全体的にいい感覚で投げられたので、良かった部分を引き続き伸ばしていきたい。気持ちとしても1段、2段と上げていく」。1週間後の開幕へ、万全の調整を進めていく。【前原淳】

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