広島野村祐輔投手(31)が、滑り込みで2年ぶりの開幕ローテーション入りをつかみ取った。ソフトバンクとのオープン戦(マツダスタジアム)に先発し、5回2安打無四球無失点。文句なしの快投で6枚の開幕ローテーション残り1枠に入った。開幕3戦目の28日中日戦(マツダスタジアム)で先発する見込み。経験豊富な右腕が、手術からの復活を期す。

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野村が淡々とスコアボードに「0」を並べていった。日本シリーズ4連覇中の最強打線を相手に、130キロ中盤の直球にツーシームやカーブなど多彩な変化球を両サイド、高低に投げ分け、凡打の山を築いた。5回2安打無四球、無失点の快投。1度も二塁を踏ませなかった。「ストライクゾーンを広く使っていくのが持ち味。しっかりとそれができた」と胸を張った。

抜群の制球力で強打者を手玉に取った。柳田に初回2死からは低めの変化球を中前に運ばれた。しかし4回1死からの2度目の対決では、内角を攻め続けフルカウントからの6球目、外寄りのツーシームで空振り三振。想定外の変化だったのか、柳田も驚きの表情を浮かべた。野村は「やっぱり踏み込ませたくないというか、踏み込むと打者はフルスイングできると思うので。そういうことがしにくいような投球を心掛けてます」と冷静だった。

文句なしの内容で残り1枠をもぎ取った。昨年10月の「右鎖骨下静脈血栓症除去術」の影響で出遅れたものの、2軍戦で好投を続け、18日に1軍昇格。開幕ローテ入りをかけたオープン戦今季初登板で、見事に一発回答してみせた。佐々岡監督は「祐輔らしく緩急も使いながら投げてくれた。結果も含めてナイスピッチングだった」と絶賛し、開幕ローテ入りを明言した。

昨季は右ふくらはぎの故障もあり、シーズン途中から若い投手陣を支えた。しかし終盤で戦線離脱しただけに「ケガしないように、1年間ローテを守れるようにしたい」と引き締めた。28日中日戦の先発を託される見込み。経験豊富な右腕が、2年ぶりに定位置だった開幕ローテーションの座に舞い戻る。【古財稜明】

▽広島田中広(5回無死満塁から右前への決勝2点適時打)「チャンスだったので、高い球を打つという思いで、打席に入った。結果的にタイムリーになってよかった」

▽広島ドラフト3位大道(1点リードの8回に登板し、2安打無失点)「開幕前に良いイメージで終わりたかった。反省すべきところは結構あるけど、(開幕へ)良い形で入れるんじゃないかと思う」

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