阪神平野恵一2軍打撃コーチ(41)が、おいで、センバツで8強に進出している東海大相模・求(もとめ)航太郎投手(2年)にエールを送った。

26日の2回戦・鳥取城北戦で公式戦初登板初先発。最速140キロの直球を軸に4回2安打無失点に抑えた右腕だ。

「(映像は)見たよ。成長していた。今までの指導と、今指導してくださる方々、応援してくださる方々のおかげだなと。(求の出身の)奄美大島の人たちも応援してくださっているだろうし、本当に喜んでくれているだろうし。パワーをもらいますよ」

姉康子さんの息子、航太郎少年を小さい頃からかわいがってきた。高校の入寮前にプレゼントしたグラブも聖地で使ってくれていた。試合後に「ここでおじさんがプレーした。その思いを大事に投げようと思った」とコメントしたことを報道で知り、笑顔を浮かべて続けた。

「うれしいですよね。そういう言葉を発してくれる、行動してくれることが。もう俺の高校2年生よりすごいんだから。俺の背中を見てくれていたんだろうけど、もう身長も大きくなってるし、俺よりも大人なんじゃないかな。(高校野球は)特別ですね。感無量です」

コロナ禍で1年以上会えていない。遠くにいても、思いはいつも同じだ。

「『おじさんはプロ野球選手でこれだけ頑張ったから、あんた、これだけ頑張らないといけないよ』って多分言われると思うんだよね。言われてなくても自分の中で感じながら、比べられるっていうかね。そういう気持ちがすごく分かるから。俺はあまり何も言わないように。お前の味方だよと。一生懸命頑張れば大丈夫だと。そういう風に言い続けてきた。なるべくタッチしないように、遠くから俺が一番応援してやる、何か困ったことがあればいつでも言えって」

“恵一おじさん”しか言えない、心温まるエールは、おいッ子航太郎の力にりそうだ。

センバツは29日に準々決勝が行われ、東海大相模は第2試合で福岡大大濠と対戦する。【中野椋】