阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)が虎のレジェンド助っ人級の衝撃的なアーチを放った。6回先頭。国吉の3球目を捉えると、打った瞬間それと分かる当たりが飛んでいった。バットを放り投げ、1歩、2歩と歩くと、打球は右中間場外へ消え、球場外の通路へ着弾した。特大の3号ソロ。1日広島戦以来7戦ぶりの推定140メートル弾だ。「打ったのはカットボール。少し高めにきた甘いボールをしっかり捉えることができました」と手応え十分だった。

試合前まで12試合に出場し、打率1割6分3厘と苦しんでいた。試合前には矢野監督から5分間、井上ヘッドコーチから10分間の密着指導を受けた。この日の置きティー打撃では、井上ヘッドから体の使い方を指導された。フリー打撃では38スイングで8本の柵越え。練習の成果を発揮し「試合前に矢野監督と井上ヘッドに指導いただいたおかげです。少し修正して自分のスイングができました」と感謝した。

レジェンド助っ人をほうふつとさせる弾道だ。89年8月13日の大洋戦。フィルダーが放った1発は左翼スタンドを越え、球場外の公園をかすめ、さらに奥の道路まで飛んでいったという。「あれが当たったら大けがをしていますよ」と、当時の球場係員は生々しい証言を残している。この試合でフィルダーは1試合3本塁打、うち2本が場外アーチと驚異的なパワーを披露している。シーズンでは38本塁打。まだ22歳のルーキーがレジェンド助っ人級の衝撃を残した。

▼佐藤輝が3号。4月までに3本塁打を放った阪神の新人は、田淵幸一69年4月19日中日戦、近本光司19年4月18日ヤクルト戦に次ぎ、2リーグ分立後3人目。 ▼このペースで佐藤輝が本塁打を打ち続ければ、年間33本塁打に達する。プロ野球新人最多は31本塁打で、59年桑田武(大洋)86年清原和博(西武)の2人。更新はなるか。

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