阪神タイガースOBで「ミスタータイガース」こと、掛布雅之氏(65=HANSHIN LEGEND TELLER)が10日、大阪市内のグラウンドで、自身が監督を務める「(仮)掛布塾オールスターズ」初の練習試合に臨んだ。

試合前には「今日はノーサイン。楽しんでいこう」と語りかけた。3月に行われたトライアウトで選ばれたメンバー14人が参加。4回に4点を先制すると、時間の都合上6回打ち切りとなり、6-1で勝利した。

初陣を終えた掛布監督は「これから特徴を感じながら、仕上げていく。ピッチャーが3人そこそこ投げられるんで、今の阪神と一緒だわな。先発ピッチャーがしっかり投げれば、ある程度試合にはなるかなと。やっぱり負けない野球が強いんじゃないか」と手応えを得た。

一方で「ホームランとか、かっこよく勝とうと思わずに、泥臭くやってほしい。我々もそんな打って勝てるわけではないからね。佐藤(輝)っていうあれだけの選手でも苦労しているわけだから。そううまくいくわけじゃないんだよね。なかなか楽しむ野球はプロでは難しい。彼らにも、そういうのを感じてもらえれば」。阪神の怪物ルーキーを例えに出し、注文も忘れなかった。

チームは、草野球大会「第1回掛布塾CUP」(100チームが参加、4月に予選開始=三菱自動車後援)の優勝チームと、12月1日に甲子園球場で対戦することが決まっている。

「やっぱりやり残したことがあるんだ、彼らは。プロ野球選手にあこがれて。そういう気持ちを大切にしてあげたい。いい思い出を作ってあげたいよね。俺はやっぱりプロでやってたわけだから、ちょっとでもそういう雰囲気を味わわせてあげたい。特に甲子園の最後の1試合はね。特別な舞台だと思うんで。彼らのやり残したことに、甲子園がいい答えを出してくれるんじゃないかな。彼らにプラスになるような野球にしてあげたい」

選手を思い、今後の戦いを見据えた。