初回から白星確定だった!? 阪神がスキを突いた足攻めで主導権をガッチリ握った。よーいドンから1番近本、2番糸原の連打で無死一、二塁とした直後の攻撃だ。3番マルテはフルカウントから見逃し三振に倒れたが、その6球目にダブルスチールを仕掛けて成功。二、三塁とチャンスを広げると、4番大山の遊撃へのゴロが大和の悪送球を誘って二塁走者も生還。瞬く間に2点が入った。

電光石火の先制劇に矢野監督も大きくうなずく。「足が動くっていうのはウチの持ち味でもある。チカ(近本)がいいスタート切ってくれたので、それは助かった」。セ5球団との1巡目の対戦を終えてチーム13盗塁はリーグトップ。前日10日には9回の4盗塁が得点に結びついた。この日も今季初の重盗が得点に直結した。

熱心な虎党はピンと来たはずだ。初回の攻撃で大山に打点が記録されたからだ。虎の主砲が打点を挙げると昨季から引き分けを挟んで15連勝中だった。これで不敗神話が16連勝まで伸びた。さらに阪神が先制した今季の試合はこれで負けなしの11連勝。白星はすべて先制逃げ切りだ。「大山打点なら勝利」「先取点なら勝利」と2つの法則が初回に重なり合っていた。

積極走塁は矢野野球の代名詞だ。就任1年目の19年はリーグ断トツのチーム100盗塁、20年の80盗塁も最多タイだ。今季は打棒に注目が集まる佐藤輝も2盗塁を記録している。試合後の糸原は「相手も立ち上がりが嫌だと思うので、ジワジワいい攻撃が出来たかなと思う」と胸を張った。近本が走る。糸原も走る。そして佐藤輝も走る。足を使った攻撃が快進撃の原動力になっている。【桝井聡】

 

▼阪神が1回に今季初の重盗を決め、通算13盗塁でセ最多を走っている。矢野監督が就任した19年に100盗塁、20年80盗塁(巨人と同数)と2年連続リーグ最多。矢野監督は2軍監督時代の18年も163盗塁でウエスタン・リーグ最多に導いており、監督としては「3年連続」を継続中だ。

 

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