中日福留孝介外野手(43)が、史上13人目の400二塁打を達成した。1回2死。カウント1-1から広島先発の左腕・高橋昂の144キロ直球を強振すると、打球はライナーで右翼フェンスを直撃した。スライディングで二塁に達すると、大きな拍手に包まれた。

43歳11カ月での400二塁打は、09年金本(阪神)の41歳5カ月を大きく更新する最年長での達成となった。「長くやらせていただいてこうした記録が達成できてよかったです」。チームが悔しい逆転負けを喫しだたけに、短いコメントにとどめた。

43歳で阪神から戦力外を通告された。現役続行を強く望み、14年ぶりに古巣に復帰した瞬間から「恩返し」は福留の大きなテーマとなった。試合中のベンチや練習の合間に時間があれば、投手、野手問わず経験、考え方を伝える。だがヒーローになった17日も、こんな話をしていた。「いろんな話をしますが、打席に入って勝負するのは本人。どう割り切っていくかは経験していく中で自分で感じるもの」。プロの本質と存在意義がどこにあるのかを、現役最年長は知り尽くしている。だからこそこの試合でも結果にこだわり、2点を追う8回にはセーフティーバントを試みるなど勝利を求めるプレーを続けた。

487本の二塁打最多記録保持者はPL学園、中日の先輩、立浪和義氏。「また1本でも多く打てるようにこれからも頑張ります」。まだまだ歩みを止めるつもりはない。【安藤宏樹】

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