広島のドラフト1位栗林良吏投手(24)が、新人ではセ・リーグ最長となるデビューから11試合連続の無失点記録を打ち立てた。巨人戦で3点リードの9回に登板。先頭から連続四球でピンチを招くも、後続をピシャリ。リーグトップタイに並ぶ7セーブ目をゲットした。チームは引き分けを挟んだ連敗を3でストップ。「鉄壁」を誇る鯉の新守護神が躍動を続けている。

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栗林が体内のアドレナリンを爆発させた。3点リードの9回、先頭から連続四球で、無死一、二塁のピンチを招くと、ギアを上げた。重信は外角152キロの直球で見逃し三振。続く大城の初球は自己最速を1キロ更新する154キロをマーク。追い込むと変化球で中飛に斬った。最後は坂本へ渾身(こんしん)の外角への153キロ直球。遊ゴロに仕留め、表情を緩めた。

リーグトップタイの7セーブ。新人ではリーグ最長となるデビューから11試合連続無失点を記録した。右腕は球団を通じ「1試合でも多く0点で帰って来られるように。たとえ点を取られてもチームが勝てるように明日からも頑張ります」とコメント。19年にソフトバンク甲斐野がマークした13試合連続無失点の新人記録にも、2試合に迫った。

社会人時代に1球1球全力で投げ込むスタイルが確立された。トヨタ自動車に入った当時、投手コーチから「社会人は1球に泣く。常に全力でいけ」と指摘されたことがあったという。「そこから基本的に最初から気持ちを入れて飛ばして投げるようになった。本当に社会人になってからいろんな面で成長できた」。もともとアドレナリンが「すごい出る」タイプだといい、「勝負する上では大事な部分」と話す。マウンド上では“鬼”と化し、一球入魂で打者に立ち向かっている。

1発同点の場面をゼロで切り抜けた右腕に佐々岡監督は「四球、四球から始まった中で、しっかりとあそこを抑えるというのは大したもの」と目を細めた。今季の広島の9回のマウンドには、絶対的なルーキー守護神がいる。【古財稜明】

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