広島のドラフト1位栗林良吏投手(24)が、圧巻の3者連続三振で最終回を締め、リーグトップタイの8セーブ目を挙げた。これでデビューから12試合連続無失点とし、ソフトバンク甲斐野が19年にマークしたドラフト制後の新人最多となる13試合連続に王手をかけた。チームは乱打戦を制し、2連勝で2カードぶりの勝ち越しを決め、勝率を5割に戻した。

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圧巻の投球を、敵地で披露した。1点リードのマウンドに登場。先頭の若林を3球で片付け、続く丸、岡本和を立て続けに仕留めた。3人とも宝刀フォークでバットに空を切らせた。前日24日には先頭から連続四球を出したが、この日は付け入る隙を与えず。チームを2連勝に導いた。

「アドレナリンもすごく出ていた。昨日の登板の反省もありましたし、いろんな意味ですごく大事な登板だった。緊張感と集中力は今までの登板の中でも一番あったのかなと思います」

6点リードを追いつかれ、巨人に傾いた流れを完璧に止めた。8回に森浦、大道、塹江が計6失点と乱調。右腕は「野村さんの勝ちを消してしまった。同期と塹江の分も、リリーフのミスはリリーフで取り返せたらいいなと思ってマウンドに上がった。今回は自分が助ける形になって、抑えられてよかった」と胸をなで下ろした。佐々岡監督は「ああいうしびれる場面で、3者三振。すばらしかった。本当に大したもの」と大絶賛した。

これで初登板から12試合連続で無失点を継続。ソフトバンク甲斐野が19年にマークしたドラフト制後の新人最多となる13試合連続に王手をかけた。「まずは次の1試合ゼロで帰ってこれるようにいきたいなという気持ちもありますけど、3点差とかだったら最悪1、2点取られてもチームが勝てばいい。9回の仕事に集中して、マウンドに上がりたい」。鉄壁の守護神として、チームを支えていく。【古財稜明】