函館大が延長11回サヨナラで東農大北海道を下し、今リーグ1勝目を挙げた。延長11回表の2死満塁から2番手で登板した185センチの右腕、竹下瑛広(あきひろ)投手(3年=厚木北)が打者1人を三振に切り、その裏、無死二、三塁から暴投の間に三走西田健人左翼手(3年=函館大有斗)が生還し、サヨナラ勝ちした。

ピンチでマウンドに上がった竹下は5球で流れを呼び込み、勝利投手となった。勝負どころで大仕事をこなし「(先発の)村田(澪斗、3年=函館大有斗)が頑張って投げていたので絶対に打たれちゃいけないと思った。緊張したけど、気持ちで投げた」と振り返った。

1年秋に1勝を挙げるも昨年7月、右肘の炎症で離脱した。昨秋のリーグ戦は回避し、12月から投球を再開。今春に合わせ徐々にコンディションを上げてきた。この日が、1年秋以来のリーグ戦復帰登板で「ケガしている間に左投げの練習もやってきた。体のバランスも良くなり、球に勢いがついた感じがする」と手応えを口にした。10回2/3で197球を投げた先発村田は「自分はもうガス欠だった。竹下がいてくれて助かった」と喜んだ。

竹下の母ノルリタさん(48)がフィリピン人。厚木藤塚中から軟式野球を始め、厚木北高1年秋に内野手から投手に転向した。大学入学時は身長183センチで最速128キロも、2年間で身長が2センチ伸び、最速は今春の練習試合で147キロに上がった。急成長に「今年中に155キロまで伸ばしたい」。角度のある直球を武器に、さらなる進化を目指す。【永野高輔】