楽天イーグルスの全部、教えちゃいます! 日刊スポーツ東北版では、球場内外の楽天情報をお届けする「週刊イーグルス」を毎週木曜連載でスタートします。第1回は球団公式YouTube特集。ファンのニーズに応えるべく、日々カメラを回し、動画を配信し続ける担当者の奮闘ぶりを追いました。

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カメラを止めるな! 楽天が、球団公式YouTubeに力を入れている。今年3月に発足した特別チームに属する10人の“精鋭部隊”がグラウンド内にとどまらず、球場入り、帰路の車中までカメラを回す。楽天野球団メディア事業部の一ノ瀬玲奈部長は「おもしろいと思ったらとにかくカメラを回す。幅広くイーグルスの魅力を知ってもらいたいです」と言葉に熱を込める。

実は9年前の12年から、アカウントは稼働していた。ただ、試合ハイライトやヒーローインタビューなど定型物の配信にとどまった。球団公式アプリ「At Eagls」や楽天グループが運営する無料通信アプリ「Viber(バイバー)」では練習中の動画を上げていたが、老若男女問わず、身近な存在となっているYouTubeに目を向けた。

硬軟自在に形にする。1日2本のアップを目標に、事前に準備した企画ものを外注で作り込むこともあれば、バズりそうなネタに反応し、自前で編集し“撮って出し”することも。高卒2年目で初の開幕1軍入りを果たした武藤のプロ初安打への道のりを企画していたが、記念の1本が出た6日西武戦で石井GM兼監督から記念球と見せかけ、パンを渡されるやりとりをナイター後に即配信。後日、予定していた総集編をアップした。即日配信した田中将の復帰後初ブルペンは本アカウント最高の60万回再生超え。グッズ製作の裏側やスカウトの1日密着まで、幅は広い。

動画班はSNS班と兼務。公式ツイッターなどのコメントを収集し、企画立案につなげている。首脳陣、選手の認知も高まり、協力的な姿勢に支えられている。「選手はもちろん、楽天イーグルス全体を好きになってほしい」と一ノ瀬部長。元選手の球団職員の働きぶりやチアリーダー特集などの連載動画も案にある。

40万人を超えるチャンネル登録者数を誇る巨人をはじめ、他球団も趣向を凝らした動画を配信している。一ノ瀬部長も「ジャイアンツさんが強敵ですが…」としつつ「やるからには12球団で一番のチャンネル登録者数を目指したいです」と力強く言い切る。チームと同じく、目標は“日本一”だ。【桑原幹久】

◆プロ野球球団公式YouTubeチャンネル登録者数(4月27日現在)

<1>巨人 約44万3000人

<2>阪神 約18万人

<3>ソフトバンク 約16万1000人

<4>DeNA 約14万4000人

<5>日本ハム 約14万2000人

<6>ロッテ 約11万6000人

<7>ヤクルト 約8万8900人

<8>西武 約8万600人

<9>中日 約7万7000人

<10>楽天 約7万500人

<11>広島 約5万3500人

<12>オリックス 約5万3100人

◆楽天YouTube担当のおすすめ動画ベスト3(4月27日現在の再生回数)

<1>「田中将大選手の東北凱旋(がいせん)登板。球場入りから、試合後のインタビューまで密着しました」(約2万3000回)→試合後のインタビューまで「ドキュメンタリー感」にこだわった王道スタイルの作品

<2>「【拡散希望】辰己涼介選手からみなさんに大切なお願いです」(約14万回)→辰己選手の「己」の漢字をメディアにもファンにも間違えられることが多いことから、選手ご本人とも会議をして作り上げました。歌も自作です。

<3>「島内宏明こだわり『バニラじゃだめなんですか?』」(約2万6000回)→島内選手開発(?)のバニラシェイク誕生を追った。島内選手ワールドがさく裂。球団の商品開発の裏側も見られる。