広島新助っ人のケビン・クロン内野手(28)が、自身初の代打弾で天敵を打ち砕いた。4点を追う8回1死、7回まで打ちあぐねていた阪神秋山から、左翼スタンドへ特大の1発となる3号ソロ。チームは敗れ今季最長の3連敗。借金は2となったが、次戦につながる助っ人大砲の価値ある1発だった。

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衝撃音が無観客の甲子園の隅々まで響き渡った。4点を追う8回、1死から代打で出場したクロンが、秋山の0-1からの2球目、外寄りに甘く入ったカーブを完璧に捉えた。打球は左翼スタンド中段付近に飛び込む3号ソロ。自身初の代打弾を放った助っ人は「とにかく高めの球に意識を持って行って、そういう球が来れば振ろうと思っていた」と振り返った。

天敵を一振りで攻略した。前回4月15日の対戦から14イニング連続で得点を奪えてなかった秋山からの1発。クロンは「秋山投手をずっと試合中に見ていた。球速は速くないですけど、コントロールが良い。非常に難しい仕事の代打というところで、1球に集中していかないといけないと思った」。ここまで変化球に苦戦していただけに「真っすぐを待って変化球に対応できたのは非常に良いサインだと思う」と胸を張った。

チームは今季3度目の3連敗で、借金は今季最多タイの2に。しかし助っ人砲は「4月は(勝率)5割を達成できなかったけど、また5月に入ってから、チームの勝ちに貢献できるように、さらに上位に食い込んでいけるように、チーム一丸となってやっていきたい」と前を向いた。【古財稜明】

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