九産大が4季連続43度目の優勝を達成した。最終週に九共大に連勝して勝ち点4で並び、勝率で上回って逆転。公式戦初先発の最速149キロ右腕・楠本宏武(2年=鎮西学院)から今季5勝の最速151キロ右腕・渡辺翔太(3年=北九州)の1失点リレーでライバルをねじ伏せた。春はコロナ禍で中止となった昨年を除いて7連覇。6月7日から始まる全日本大学選手権(神宮、東京ドーム)に挑む。

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春7連覇の瞬間、両手でガッツポーズした2番手の渡辺翔を中心に歓喜の輪ができた。一部の選手は男泣き。試合後の球場外で、大久保哲也監督(58)は胴上げで5度宙を舞った。

大学では公式戦初先発の楠本が初勝利で逆転優勝に貢献だ。「こういう試合で投げさせてもらい、期待に応えようと思いきって投げた」。初回からエンジン全開で力強い直球と決め球のカットボールを軸にスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリットで強力打線を翻弄(ほんろう)した。

大久保監督が「状態が良くない」というエース格の荒木を欠く中で、大一番に大抜てきされ、5回2安打1失点(自責0)。全国舞台でも「真っすぐでガンガン強気に攻め、勝利に貢献したい」と声を弾ませた。

6回からは2連投の渡辺翔が「アドレナリン全開でした」と4回2安打無失点の力投。特に9回は全てキレのある直球で押し、力でねじ伏せた。堅守の流れを攻撃につなげて4点を奪い、指揮官は「ずっと7連覇と言い続けてきた。選手全員がベクトルを合わせ、よう頑張ってくれた」とたたえた。一丸で春秋通算43回目の頂点に立った。【菊川光一】

九産大・山下外野手(3回2死三塁で左中間適時二塁打を放ち)「打ったのは真ん中低めの直球。監督から低めを打って行けという作戦だった。優勝できてうれしい」

九産大・福森内野手(7回1死一、三塁でスクイズを決め)「気持ちの準備をしていたので余裕を持ってできた。スライダーのボール球です。練習から試合を想定した(バントの)成果が出た」