最速151キロ左腕で今秋ドラフト候補の関学大・黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)が同大戦で9回2安打11奪三振完封。13年秋以来のリーグ優勝に王手をかけた。4球団8人のスカウトに猛アピール。阪神は嶌村球団本部長、和田テクニカルアドバイザー(TA)ら4人が熱視線を送った。

阪神元監督の和田TAをうならせたのは立ち上がりだ。1回、失策絡みで1死満塁に陥るが速球で空振り三振に仕留め、中飛で先制を許さない。同TAは「初回のピンチはギアを上げたよね。完全に三振を取りに行って、三振を取っている」と評価。「変化球で簡単にストライクを取る。どの球種も勝負球に使える。速球は強いし、カットボールで左打者に三振を取って右打者を詰まらせられる。的を絞らせない」と絶賛した。

今年から、投球の精度を上げるため、志願して無走者でもクイック。球威が出にくい投げ方だが、この日の最速は150キロで9回も146キロを計測した。「疲れは感じなかった。気持ちよく投げられました」。しかも、貴重な左投手。2試合連続「1-0」完封でプロの評価はうなぎ上りだ。

優勝目前だが「あと1勝。気を抜かず自分も明日、投げるつもり」と言う。24日の京大戦に勝てば頂点だ。強烈に存在感を示す熱投だった。【酒井俊作】