阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、5戦ぶり13度目のマルチ安打と状態を上げ、27日にロッテ先発の佐々木朗と対決する。「向こうもいい投手というのは分かってますけど、やることは変わらず自分のするべきことをするだけだと思う」と静かに闘志。「まあでも、より注目が高くなると思うので、しっかり打てるように頑張りたい」と、湧き上がってきた打倒163キロ右腕への感情を隠さなかった。

佐藤輝らしいパワーで復調のきっかけをつかんだ。2回、ロッテ岩下の内角スライダーをとらえ、バットを折りながらも右前へ。詰まりながらも「輝シフト」で一、二塁間の後方を守る二塁手中村奨の頭をしぶとく越えた。交流戦初安打となる10打席ぶりの安打できっかけをつかむと、6回の第3打席にはプロ初登板のサイドスロー横山の初球148キロ低め直球をとらえ、右中間を破る二塁打を決めた。雨やコロナ禍での広島3連戦延期などで5日間試合から遠ざかり、前日25日は4打数無安打。「ちょっと修正を加えながら、ちょっとよくなってきたかな。(修正は)感覚のところですね」と微調整で上方修正した。令和を代表するフルスイングVS剛速球。自身の状態にも手応えをつかんで、佐々木朗との令和の名勝負に挑む。【石橋隆雄】

 

▼佐藤輝のマルチ安打は13度目。年間143試合換算なら42度のペースで、球団新人最多の19年近本43度に迫る勢いだ。なおセ・リーグ新人最多は58年長嶋茂雄(巨人)48度。プロ野球最多は56年佐々木信也(高橋)の54度。