貪欲に、夢の舞台へ向かう。オリックス山本由伸投手(22)が、7回5安打2失点で今季4勝目を挙げ、自身の連敗を3で止めた。

侍ジャパンの稲葉監督が視察した試合で「丁寧な投球を心掛けた。なんとか勝たせてもらって安心です」と12安打9得点と援護してくれた打線に感謝した。

世界相手にも“超高速投球”を見せつける。この日は最速156キロの直球に、152キロのカットボールを投じた。「打者が打ってから、(球種に)気づくようなボールが投げたいんです」。高い理想を掲げる22歳の高速フォークは150キロを超える。球界最高峰の直球を投じるが、変化球の球速も150キロ以上に設定。異次元の速度でキュッと曲げたり、ストンと落とす。

計り知れない向上心がある。「対戦して、いつも思うんです。やっぱり、打者も目がいい」。そして、続ける。「普段と少し違う変化球を投げて、軌道からズレたら余裕で見逃してくる。だから、より質のあるボールを求めたいんです」。この日は山田、村上のヤクルト3、4番を無安打に封じた。「みんな技術が高いので打ちながら(球種に)気づく。対応できる打者もいると思うんですけど(球種に)気づかないでほしい」。交流戦という年に1度の対決で主軸を封じた。世界相手にも細かく動かす“バレない変化球”で挑む。

憧れ続けた東京五輪へ-。「世間の状況的に、開催に反対の方もいる。僕としてできることは…。もし開催されて、もし出られるなら、しっかり全力プレーをするだけです」。たどり着くまで、夢を追いかける。【真柴健】