オリックス増井浩俊投手(36)のプロ野球史上初の快挙達成は、来年以降に持ち越された。この日のヤクルト戦で全12球団から勝利に挑戦。増井は18年6月29日日本ハム戦で、全12球団からのセーブを達成。さらに全12球団からホールドも挙げており、勝利投手となれば“完全制覇”となるはずだった。

増井はヤクルト戦を前に「本当にここで勝ちを取れれば完全制覇っていうか、1人で3人分くらいの記録をやるんで、できたらいいなと思います」と記録についての思いを明かした。それ以上に、今季まだ1勝の現状を顧みて「とにかく勝ちたい。チームを勝たせられれば」と2勝目に貪欲だった。

立ち上がり、先頭の塩見、中村を連続三振。山田を遊ゴロに打ち取り、3者凡退で滑り出した。

打線が初回から増井を援護。2死二塁から杉本が先制の12号2ランを放った。一塁ベンチ前でキャッチボールをしていた増井は打球の行方を見届け、拍手で援護に感謝した。

増井は2回にも吉田正の適時内野安打で3点目をもらうも、4回にヤクルト打線につかまった。1死二、三塁で相手の主砲・村上を見逃し三振に打ち取ったが、続くオスナに右前への適時打を打たれて2点を失った。

だが味方打線が4回、杉本の適時二塁打と相手の暴投で2点を追加した。5-2と3点リードの5回、増井は3者凡退で投げ終え、6回から比嘉にバトンを渡した。5回3安打2失点。“3階級制覇”の権利を手に、マウンドを降りた。

しかし、6回に3番手の山田が村上に14号2ランを浴びて1点差に迫られた。さらに7回2死一、二塁で、村西が塩見に同点打を浴びた。試合は振り出しに戻り、増井の勝ちは消えた。この回、遊撃・紅林の失策でヤクルトにリードを許した。

5回2失点の力投が白星につながらなかった増井だが、7回の投球を終えて戻った村西をベンチ前で出迎え、ねぎらった。

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