西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放った清原和博氏(53)の長男、慶大・清原正吾内野手(1年=慶応)がベンチ入りした。

父と母亜希さん(52)も観戦に訪れる中、出場機会はなかったが、出場選手のサポート役をこなした。中学、高校は野球を離れたが、学生球界トップレベルで野球を再スタート。チャレンジ精神で、リーグ戦デビューを目指している。

仲間と喜びを分かち合った。清原は「神宮の舞台は特別だと思いました」と澄んだ目で言った。1、2年生だけで行うフレッシュトーナメント。初戦で宿敵・早大を1-0で倒した。前日のリーグ戦最終戦で、慶大は早大に敗れていた。「絶対、早稲田に勝ってくれ」とAチームのメンバーから託され、代打に備えた。出番こそなかったが、勝利の味を共有した。

小3から少年野球を始めたが、中学はバレーボール、高校はアメフトに進んだ。転機は3年の時、コロナで部活動が休止になったこと。「弟、おやじ、家族全員で野球の練習を始めて、野球が好きだなと思いました。両親に、大学で挑戦すると伝えました」。本格的にバットを握るのは小6以来。しかも、硬球は初めて。最初は打撃の詰まりにてこずったが「おやじはバッティングに悩んでいる時、優しく教えてくれる。自慢のおやじです」と心強いサポートがある。

既にBチームのオープン戦に出場。身長186センチ、体重90キロの恵まれた体格からかっ飛ばし、首脳陣を驚かせている。「今の目標は、神宮で打席に立って思いきりフルスイングすることです。自分はバッティングが長所。おやじのような選手になりたい」。フレッシュから、その先のリーグ戦デビューへ。パワフルな打撃で挑む。【古川真弥】