関学大(関西学生)が1964年以来、57年ぶりの初戦突破だ。今秋ドラフト上位候補のエース黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)が先発し、7回8奪三振1失点の力投で貢献した。

序盤から球が上ずり、制御に苦心したが、2回は3奪三振。140キロ台後半の速球を生かしながら丁寧に投げた。4回は4安打を浴びて1点を失ったが中盤以降は緩急を生かして持ち味を出した。黒原は「全国の舞台で恥ずかしい投球をできない。野手のみんなが先制点を取ってくれて楽に投げられる状態を作ってくれた。マウンドで伸び伸び投げられました」と振り返った。

バックネット裏には12球団のスカウトが熱視線。リストアップしている地元の阪神は嶌村球団本部長、和田テクニカルアドバイザー、畑山アマ統括スカウトらスカウティング部門トップが集まり、自己最速151キロ左腕の動きに注目していた。畑山アマ統括スカウトは「左投手で球速も出る。本来はコーナーに、両サイドに投げられる。途中から彼らしい投球を見られた」と評価し「左投手が今年は(ドラフト候補に)います。クロスチェックをして、ランクもこれから。見られてよかった」と続けた。前日7日には西日本工大・隅田知一郎(ちひろ)投手(4年=波佐見)が8回14奪三振1失点で勇名をはせていた。黒原らの力量を見極めて、秋のドラフトに向けてリストを絞り込んでいく。