福岡大(九州6大学)が、タイブレークの末にサヨナラ勝ちで初の4強進出を決めた。

1-1で迎えた延長10回1死二、三塁、1番仲田慶介外野手(4年=福岡大大濠)の内野への打球を遊撃手が後逸し三塁走者が生還した。堀壮太監督(40)は「相手の方が強いと戦前から分かっていた。いい試合になるなら、ロースコアしかないと予想していましたので、運が味方してくれた。当たって砕けろの精神だったので、学生がよく頑張ったと思う」と振り返った。

先発の村上幸人投手(3年=九産大九州)が、延長10回を投げ抜き1失点のみ。ツーシームなど変化球を丁寧に投げ込み、初回に1点を先制されたが2回以降は東都優勝の強力打線をしっかり抑えた。1回戦も完投しており「疲労感はありましたけど、今回の試合は気持ちの方が勝ったのかなと思います」と笑顔。

全国8強を目標に掲げてきたチームだったが、ついに4強入りを果たした。準決勝に向けて「上回る結果が出ているので、自分でもびっくりしていますし、チームとしてもっと上にいければいい」と話した。

主将がケガで途中交代するアクシデントも、乗り越えた。1-1で迎えた8回1死一、三塁、国学院大の山本ダンテ武蔵外野手(4年=大阪桐蔭)の打球が、中堅方向へ飛んだ。永江大樹遊撃手(4年=東福岡)もうしろに下がったが、その際に二塁の柿沼塁審と激突し転倒。ベンチから駆けつけたトレーナーらに支えられてベンチ裏に下がり、治療を受けた。その後、1度はグラウンドに登場しボール回しに入ったが、右肩を気にして自ら交代を申し出て下がった。

ベンチで「あとは頑張ってくれ」と声をかけられた村上は、「任せてください」と答えたという。「主将がいなくても、主将の分まで頑張ろうという気持ちで投げました」と明かした。