<日本生命セ・パ交流戦:オリックス4-0広島>11日◇京セラドーム大阪

 

気持ちを1つに、全員で戦う。今季のオリックスは練習で使ったボールを選手、スタッフ全員で拾っている。試合前、最終組のフリー打撃が終わる頃、選手たちは列を作って待って「バッティング終了でーす!」の掛け声で、グラウンドに転がる白球を拾い始める。伏見に松井雅、西野、福田、大城、中川圭、宗、小田、後藤、若月…。最後に打ち終わった紅林が駆けつけるタイミングでは、奇麗に片付いているほどのチームワークだ。

提案者は田口壮外野守備走塁コーチで、開幕直後から“験担ぎ”として導入。当初は若手や控え選手が中心だったが、球団スタッフは「T(-岡田)さんやラオウ(杉本)さんも、練習が終わる頃を待ってくれて。その姿を見てみんなでボールを拾うようになった」と証言する。

その「全員野球」の連鎖は良い方向に働いている。助っ人のモヤがある試合前、円陣の声出しで「紙1枚では簡単に破れる。同じ紙でも積み重なれば破れない」とナインに伝達。得点機に内野ゴロで打点を挙げると、笑顔でハイタッチして喜ぶ。主砲の吉田正は凡打でも一塁へ全力疾走。懸命に走るがゆえ、リクエストによるリプレー検証も目立つ。T-岡田は毎試合、早出で汗を流し、安達は汗止めのヘアバンドをスタッフ全員にプレゼントした。全ては勝利のために-。

2年連続最下位だったオリックスが、スクラムを組んで強敵に立ち向かっている。【オリックス担当=真柴健】