ロッテからトレードで加入した中日・加藤翔平外野手(30)が移籍初打席初球アーチでデビューを飾った。加藤匠とのトレードで16日に入団発表。この日出場選手登録されると「8番・右翼」でスタメン出場。2点を追う3回裏、1死走者なしで迎えた初打席で、ヤクルト先発石川の初球を見逃さなかった。内角高めの123キロスライダーを強振すると球は左翼スタンドに吸い込まれた。

「ちょっと詰まったかな、入らないかなと思ったが、いろんな人に支えられていまがある。一番は家族。そういうのが(球を)あと一押ししてくれたかな」

ブルーのユニホームに袖を通したデビュー戦には、都内に住む妻と3歳の長男も駆けつけた。「これからは(単身赴任で2人と)離れるが、パパもがんばるよ、といいものは見せられた。1軍にいれば関東で試合がある。モチベーションにしたい」。家族の前でのアーチにほおも自然と緩んだ。

ロッテ時代のプロ入り1号は新人の13年5月12日、楽天戦で史上2人目のプロ初打席初球アーチという劇的デビューを果たしている。当時の監督は、伊東ヘッドコーチ。「(ヘッドには)ナイスバッティングやと言われた。この1本では、いままで指導してもらった恩は返せない。これから先、1つでもチームの勝利に貢献することが、与田監督、伊東さんへ感謝の気持ちを表せる」。新人以来という緊張感で臨んだ試合で、竜の新戦力が「劇的」アピールを果たした。

 

▼加藤翔が移籍初打席で初球本塁打。今季の加藤翔はロッテでプレーした6月5日DeNA戦で本塁打を打っており、同一シーズンに2球団で本塁打は、19年モヤ(中日1本、オリックス10本)以来6人目で、日本人選手では11年大村(ロッテ2本、巨人1本)以来10年ぶり。加藤翔はロッテでのプロ初打席も初球アーチ。初打席本塁打の選手が移籍初打席でも本塁打を打ったのは、03年オリックスでの初打席、09年ソフトバンクでの移籍初打席で打ったオーティズ以来。ともに初打席の初球を打って達成は、加藤翔が史上初めてだ。